納戸の最下段、奥

‟とにかく色々やってみる”
‟その目的を自分を癒すことにしてみる。
（勿論人の話を聞くことで癒すことができればそれも）”

‟青い手”という紋章が重なる今日
そのキーワード「遂行」「癒し」「体験」を上のように置いてみました。
自分を癒すことを目的に積極的に何かをする、ということは普段あまり考えないことなので
すが、「あっ！そうだ！」髪を切りに行きたい！と思いつき、すぐ電話。

お店ではなく、個人携帯へお電話をする長いお付き合いです。

とはいえ、めったにサロンへ行かない私。かれこれ半年ほどのご無沙汰でした。

そこで、ショッキングな報告を受けました。
まだ幼稚園に行かない二人のお子さんのお母さんは、
命に関わる重大なご病気になられていました。

私よりお若いので、見つかったのが遅めだったようで
すぐに手術とはいかず、投薬から始まったそうです。
それで、今はたまたまご自宅にいらっしゃっったとのこと。

お元気そうなお声でしたが
その心境はいかばかりか、察するにあまりありました。

暫くお話したのち、またご連絡をする約束をして、一人になりました。
病に向き合っている彼女と同じ立場になったと考えたら、私は今何をするだろう。

これまで、特に母親になってからは
「人生が突然今日で終わっても後悔しないように」心して生きてきたつもりでした。
でももっと現実的な、余命のある‟病”の身で生きることになった時の
心構えは全くできていないことに気が付きました。

「私はなにをすればいいのだろう」掃除機をかけながら、
余生が短い自分を想像しただけで、本来の自分の役割を問う姿勢が急に
日常の行動への問いに直結することを発見していました。

掃除機しまおうとすると、納戸の奥の見えないスペースに隠れた
いくつかのダンボールが気になって見えました。

ひっぱり出したダンボール5つ分の中に入っていたのは、
masaが幼児から1年生のころに使った教材とその材料が大半でした。
‟材料”。はい。言葉が出ず、認知能力もはっきりとわからなかったその頃、
少しでもmasaの得意な視覚から情報を入れてみようと、様々な取り組み教材を
手作りしていたのです。
見せるためのテーマ別写真イラストカードの素材となるカラーコピーの切り抜きや
それを張るための白厚紙が何百枚と出てきました。
この家に越してきたとき、すでに6000枚くらいはカードを作って置いてきたのに、
まだまだ作る気満々だったことが伺えます。

あの頃は、いつも‟できる最善の努力をしているだけ”、でした。
他の箱には、本棚に入りきらなかった絵本類とmasaが公文を始めたばかりのころの
プリントがぎっしり入っていました。
太い鉛筆もしっかり持てなかったmasaが、線をなぞり書きし、数を数え、
短いい文を読めるようになったことが、当時は信じられないレベルで嬉しい達成でした。
学校に入ったけれどまだ、ほとんど言葉が出なかった頃です。

そんな彼が「こんなに何千枚もプリントをした」と1学期分ごとに分けてまとめてありました。
その頃は、「こんなに頑張ったんだよ！」という思いでその束を眺め、その束が
彼の生きた印として、とても大切だったことは今でも理解できます。

その男の子が、15年後、小学校も中学校も卒業できて、その数倍のプリントをし、
ピアノが弾けるようになっているとは、思いもしませんでした。
・・・そんな時代（5〜7歳）のmasaと私の時間が、納戸の奥に眠っていました。

その時期の私たちの記憶は、masaの頭と私の心の今に繋がっていることを
感謝しながら、モノとして存在しているこの紙類は、私が残してしまったら
後で片付ける人には迷惑でしかない。。。と今日ははっきり理解して
絵本とプリントは殆ど処分しました。本だけでまた50冊。8つの束になりました。

手作り教材を保管していたのは、私たちと同じような境遇の親子で
こどもに何かしてやりたい、と思っているお母様のために
いつかお役に立つような教材制作をしたい、と思っていたからでした。

　　　　　今朝、掲げていた「とにかくいろいろやってみる」ことの先には
　　　　　　‟何か（自分の役目）が見つかる”という想定がありました。

今は別のデジタルな方法で済んでしまうと思う人も多いかもしれないけれど
これが、私の役目？なのかもしれない、と少し心にとめておこうと思います。

廊下中を埋め尽くしたこれらのダンボールの中身を
すべて古紙置き場に出し、掃除機など必要な日用品を何度に戻すと
見た目殆ど変わってない・・・・・( ;∀;)。
納戸の収納力、恐るべし。

夕飯クリップ☆彡
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 ニンジンの卵焼きと 砂肝の甘辛煮。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　20分位煮るといい感じの食感になりました。