~音楽と自然の力につつまれて~ e.w.Hanaの記録

幸せになりたい!幸せを分かち合いたい!言葉ではうまくコミュニケーションが取れないけれど 音楽はできる青年との暮らしの中で、 目の前に起こる出来事をどのように受け止めるか 自然の力や音楽の力に癒されながら模索していく日々の記録です。

ヴィルサラーゼ

朝、何気なくひらいた新聞に、ピアニスト・ヴィルサラーゼの記事を
見つけました。

11年ぶりの来日リサイタルを開いた71歳は、名だたる音楽コンクールでの審査員を
歴任もするピアニストです。

その彼女の言。
 「誰よりも個性的で将来性を感じさせる奏者が、最終審査に残らないことは
よくある。熟成の期間を与えられず、数年後に姿を消してしまう優勝者もいる。
会残るのは、舞台で常にベストを尽くせる鋼の心臓の持ち主のみだが、
それは必ずしも芸術の本質ではありません」
 指導者として、最近与えることよりブレーキをかけることが大切だと
感じることが多いという。バッハを徹底してやらせたくても、若者たちは
コンクール映えする華やかな曲を弾きたがる。しかし、成長を急ぐほど、
のちの実りも小さいと語る。

蓄積の先にある自由の境地・・・。

彼女のはっきりした言い方に、すーっと慰められた気がしました。

迷うときは、急がずしっかり古典に向き合っていれば
先へと導かれるのね・・
そんな、彼女の言葉に支えられるようにして、ピアノのレッスンに
行ったら、ブラームスショパンの長い曲を始めるというタイミングなのに
「忙しいところ、だと思いますが・・・」とおっしゃりながら
出された楽譜がシューベルトでした。

ちょっと、華やかでおしゃれな感じの曲を追っている傾向があったな
と思っていた矢先の、この超正統派の課題を目の前に出されて、
何かの力に道を示していただいていることに
感謝する1日でした。

優勝者になる必要はない、でも、芸術の1ピースを演奏できるという
喜びが、演奏するものの人生を何より豊かで幸せにしてくれるということを
思い出させてもらっただけで、昨日までの落ち着かない気持ちが、
不思議と安心へと変化していました。

ありがとうございます。