「ちがいます」という言葉
意識して子育てをされている方も多いことと思いますが、我が子が小さい頃、これは、徹底してきたつもりでした。
間違っていることがあったときは、正しい答えを返す。
子供が「りんご」と言って間違えたら、「ちがいます」ではなく「さくらんぼよ」と正解を言うってことです。「ちがう」という言葉は抽象的で、戸惑いと不安を与えるだけの効果を蓄積させていくから、と若かりし母であった私にはすんなり腑に落ちて、実践しやすいことでした。
ところが、子供が成長した最近になって、「違う」と言う言葉を重ねられると強く反応する傾向が出ていることに気づきました。そういえば、この数年この言葉を多用するようになっていた自分でした。
こちらにも理由がある(と思っている)のです。
同じことを3回も4回も重ねて教えているから、よく見れば正しく言えるはずなのに、よく見てないから同じ間違いを言うような時、正しい答えを重ねて言っていては自分で考えないのでは無いかと思って、「違う。」と答えを与えない返答をしている、というのがこちらの言い分です。もっとよく見てから言って欲しいという願望もあるし、教えている相手とはこんな感情になるものだと示すことも必要でしょうという身勝手な判断も含みます。
でも、それでも、この言葉を重ねることで放たれる負のエネルギーは、考え直そうとする脳の意思をずっと上回ってストレスになることを体験しました。
あるページにログインしようとした数分のことです。
入力したパスワードが「ちがいます」というウインドウが何度も出てくるのです。
“うちまちがえたかな?”(1回目) 「IDまたはパスワードがちがいます」
“全角になっていたかな?”(2回目) 「IDまたはパスワードがちがいます」
“うちまちがえた?”(3回目) 「IDまたはパスワードがちがいます」
“あ、こっちかな?”(4回目) 「IDまたはパスワードがちがいます」
“あれ〜?どうして〜?”(5回目) 「IDまたはパスワードがちがいます」
・・・とこんなのんきな調子で繰り返したのが10回位だでしょうか。
それほど、急いでいたわけでもなく、パスワードもメモしていたものが二つだったので、そのどちらかであることは間違いなく、それほどイライラして操作していたわけでもありませんでした。
また、パスワードそのものが違っているよと教えてもらっているだけで、自分が否定されているように感じたわけでもありません。それでも、
全く同じメッセージ 「IDまたはパスワードがちがいます」 を何回も見せられることに不思議なほど強いストレスが生じていることを感じました。
これだったのか・・・。
私は、これをしていたんだ。
これまで重ねてしまった「ちがう」が、消しゴムでけすようにキャンセルされるかどうかはわからないけれど、何歳になっても、どのような状況でも、「ちがう」という言葉は
“異なる”という意味に限定して使うように心がけようと思います。
でも、抽象的な言葉が苦手な発達障害のある人にとっては、こちらの「異なる」という意味も理解しにくいのでしょうね。「同じ」が一対一対応であるのに比べて、「異なる」や「それ以外」という概念は一対多の対応になりますから・・・。そういう意味で、どちらにしても、ストレスになりがちな言葉なだけに、十分配慮することが必要な言葉であることを、成長した今だからこそ心にとめておきたいと思います。
児童書に楽しい本を見つけました。
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そんな楽しい時代は永遠では無くて、斉藤さんはいなくなっちゃうのです。
そのことを、大人の斉藤さんは知っていて、いつか別れの時が来ることを時に子供達につぶやいてるのが、読み返してまた、現実の切なさを含む・・・。
今の幸せに、ひたろう!っていう気分にしてくれる絵本です。
今日の平和に感謝を込めて。