イタリアの旅に

朝、太陽が降り注ぐ中、真っ白に包まれた道をmasaと二人で
歩いていました。日差しが明るすぎて逆光になってしまっていますが、
とてもいいお天気でした。
　　　　　　　　　　　　　
今日は今年最後のピアノレッスン。いつもの教室とは違う、先生の
ご自宅にて。年明けに弾くことになっているショパンエチュードを
久しぶりにさらっていったものが、一発終了のまずまずの出来だったので
ますます気分よく♪。

いつもは休息日になっている金曜日に午前から走ったので、
午睡は免れませんでした。いつの間にかソファに溶け込みまどろんでいました。
BSをつけると、イタリアの列車旅行の番組の総集編にばったり。

男性俳優さんが列車を使ってイタリアを南下しながら　あちこちの町で降り、訪ねて歩いていました。
関口知宏って、知らなくても名前から関口宏の息子さんかな〜、と漠然と見ていましたが、
女性レポーターのような無用な感嘆詞なく、淡々と興味のあるところを回っていくかんじがとても心地よく、
イタリアの田舎町の持つ雰囲気を伝えていました。

自分が女性なので、北イタリアはともかく、南への列車の旅は
（トラブルに会うリスクを考えると）一生できないだろうな、、という
地域を自分の代わりに旅して周り、見せてくれているようなこの番組に
どっぷりはまってしまいました。

何か所の町を見ることができたかしら。。。
かなり沢山です。
スローフード発祥の町ブラではヤギのチーズの生産者がチーズ作りの文化が薄れそうな
危機感をもちながら、食の伝統を守ろうとしている志を感じ、
人口320人で独立を宣言しているぜボルガという村ののどかさを見、
ナポリではコーヒー発祥の地でカプチーノは許されない。と
「Café！」とエスプレッソを誇らしげに入れている姿に触発されてコーヒーを
煎れてしまったり。(*^^*)

経済格差がはっきりと残る南の雰囲気も見ましたが、
目の前の文化を継承しようとする姿勢は南北共通したイタリア人気質
というか、…日本人に比べると、
‟どうしようどうしよう”と状況に対応しようとし過ぎる傾向が薄く
置かれた立場で自分の目の前の事を大切にやっていく姿に
「いいな。」と何とも呟いてしまいました。

「きれいね〜」（すごく田舎でもとても街並みが素敵！）とか
「美味しそう！」（ジェラートとCaféとピザとペストリーは絶対美味しい！！）とか、
完全参加型のイタリア鑑賞は、きっと横で見ているmasaも少しホッとしたことでしょう。

こんな風なのんびりしたイタリア旅行を12月の30日にできていることって
すごく贅沢な気がして、‟年末”に追われていない今年の自分の変化を
心地よく感じていました。

これまでの年末も、することは変わらなかったはず。
クリスマスの演奏が終わるまでは何もできず、その後から
掃除をして、年賀状を出して、お節を決断する・・・。
でも、何かに追われているような感覚がとても窮屈でした。
それなのに大晦日1日でお節をつくる運びになって、
ゆく年くる年の手前まで台所に立って、年越しそばは片手間に、
みたいな流れが常でした。

でも、今日レッスンがあったこと、そして午後にイタリアを数時間覗いたことは
きっと偶然ではなく、そういう私の自虐的リミットから心を解放してくれる
きっかけだったのではないかと思います。

気持ちをリセットした私がまず向かったのは、昨日から水につけてあった砥石。
お節は‟包丁との戦い”という感覚で中盤戦に至るのは、切れない包丁のまま始めてしまうからだと思い出し、
これを先にやることを決めていました。

そして、次に向かったのは、バッグのクリーニング。
日常使いしているバッグが汚れてきていることが気になっていたので
中身を全部出して、中性洗剤でゴシゴシ。

それから、作業テーブルをはじめとした各所に積まれたレース糸玉の山を
片付けました。お正月ですから、すぐ作業を続けられる状態もリセットです。

「やっぱりお節、少し作ろうかな」と思ったのはその後です。
1日でお節を全部、と思うと絶対気持ちが追われてしまうので。
もう夕方でしたがまだ少し時間に余裕があったので4品だけつくりました。
玄関のしめ縄飾りも大晦日に出すのは良くないのだそうで、
今日出しました。

全く周到に用意している訳ではないのに、
何となく思いついてすぐやる、ということでつじつまが合い
事が運んでいます。

これまで追われていた大晦日が、今年はちょっと変わったゆとりと
幸福感で迎えられそうな気配です。

夜、買いもの帰りに落ちてきた雪が、
フワフワと、まっすぐ落ちてきて、とてもとてもきれいでした。
（重すぎたり、巻く風の中の雪はまっすぐ落ちてきません）

幸せな1日に感謝です。

夕飯クリップ☆彡