発電、水、本当はとても身近なおはなし
昨日は、新しい仕事の研修絡みで入場できた、環境関係の全国フォーラム
の基調講演を伺うことができました。
‟大地が育むいのちと水”というテーマの集会でしたので、
「合成洗剤をやめましょう」とか「森を守りましょう」とか、そういった
内容の範囲なのかな、と推測していたイメージは大きく外れ、
2011年の震災時、スピーディの情報を隠していた政府の対応に抗い
学者仲間に呼びかけて、研究と発表を続けてきた小野先生(現在北大名誉教授)の
講話でした。
地質学、地理学に基づいた、”原発が再稼働できない”日本では特に、
再稼働してはならない理由には、まだまだあまり報道されず、知られていないことが
沢山ありました。
ただなんとなく”原発は危険”、とかって思っていても、
東電や北電に地質調査などの論拠を提示され、それが報道されると、
「そうなのかな」と素直に思ってしまう私のような一般人が、
もっともっとこういう科学者の方のお話を聞く機会を広げることが
大切かなと思いました。
小野先生のすばらしいところは、同じ事実でも話す場所(相手)に相応した話し方をしなければ、伝わらないのだということに気づかれた(とご本人がおっしゃっていました)ことだと思います。専門家同士で話すような内容を、そのまま経済家や政治家、市民に話しても、はっきりと伝わらない、ということを踏まえたご経験があったから、今回のお話も、詳しく具体的にたくさんの要素が盛り込まれているにもかかわらず、どこかおかしいのかがとても分かりやすいものでした。
まったく、感心・・・・
なんてのんきなことは言っていられないのだ、
電気を大手の電力会社にそのまま契約していると、それだけで
原発に援助する一助となる資金を支払っている(という法律ができている)ということも知りませんでした。小野先生が
「この中で、まだ大手の電力会社と契約していらっしゃる方どのくらいいますか?」
となげかけられたことにも、すこし驚きましたが、
「あ、まだいらっしゃいますね。今日は土曜日ですから、月曜日に電話して、電気の契約を変えてください。(*^-^*)」とあっさりおっしゃいます。
そうなんだ・・・。
昨日の講話のテープ起こしを私たちが担当することになっていますが、
小野先生のがまわってきたらいいな~♪なんて、思いながら帰宅しました。
その、会場外で千葉から持ってきて販売しているという石鹸洗剤を見かけました。
食器洗いに液体のせっけん洗剤を使っている方はわかると思いますが、
石鹸の洗浄力は強いけれど、油分と混ざるまで時間がかかるので、、
脂ものの食器には、泡を暫くつけて放置してからお湯で流す、ということが
あります。これが、この‟おれんじ”はオレンジの精油を配合したことで、
界面活性剤が使用されている洗剤と同じような使い方で、簡単に洗うことができる
という画期的な商品だそうで、
まだ北海道での販売は予定がないということだったので、早速お試しに数本購入。
これは、千葉県のNPOさんでしたが、せっけん関係の取り組みが全国的に有名な神奈川県藤沢市では、学校給食の調理室でせっけんを使っているのだそうで、これは、すごいな、、と思いました。
他にも、魚が捕れなくなった、とか台風が北海道に来るようになったとか、
そういうことは全て海水温の上昇が原因ですが、それは温暖化のせいだけではないのだということ。お湯を使う人が増えたでしょう?それも原因ですし、原発の冷却水は取水時よりも7度上げて流しているのでそれもあります。
また、福島が太平洋側に建っていたから助かった日本、
つまり、地形的な風向きの影響で、放射能の2割しか国土に被らなかった
8割が海に流れてしまったからということなのだそうですが、
チェルノブイリの時にも、海に流れた放射能というのはなかったので、
この後海の中でどのようなことが起きていくのか、は人類が経験したことのない部分なのだそうです。大陸におちた物なら、土を掘って調べればよいけれど、海に落ちたものは調べようがないので、自然の力がどこまで治癒してくれるか、祈るしかないのかな。。
核燃料の廃棄物を地底深くに埋めるという計画をしている日本とそのモデルとなった
フィンランドとの地理的相違も指摘されていました。何百万年も前に大陸としての活動が落ち着いたヨーロッパと現在まだ動いている日本とで、同じことをしようとしているのは無理があるのだと。しかも、フィンランドは長い周期で国土全体が氷河におおわれていたところ。
あれこれと、核廃棄物の処理をするためにかかるエネルギーを作るために、
原発一個つくると、火力発電所が一個必要になるそうです。石炭燃やす・・。
スペイン発の電力サイトでは、月日を入れるとその日その時間に、どのようなバランスで電気がつくられているか(火力、風力、水力、太陽・・)のグラフが一目瞭然で見られるものがあるそうで、どのくらいの電力が必要でどのようにまかなわれているのかが一般の人がわかる仕組みになっているそうです。一方で、日本では、電気が余っている、特に北海道は余っている。冬でも余っている。
原発以外の発電所は、余っていたらとめる、足りなくなったら稼働する、という調整ができるけれど、原発だけはそれができず、稼働したら作り続けなければならない。
だから、余っていても作り続ける。
単純に、原発が建っている場所だけを見ても、もともと切り立った高い土地を削り取って、海面すれすれにわざわざ作っているというのは、冷却水をくみ上げるコストを
安くするためでした。そして、これは日本全国の原発共通の建て方だそうです。
もともとの地形に建てていればそもそも津波を被ることもないのに。
ここにも経済性最優先安全性後回しの現実が現れている、と。
なるほど・・。
少し印象に残ったお話しだけでも、このように止まりません。
知らされないことを知っておく、ということの必要性に
少しでも加われるような仕事ができると嬉しいです。