~音楽と自然の力につつまれて~ e.w.Hanaの記録

幸せになりたい!幸せを分かち合いたい!言葉ではうまくコミュニケーションが取れないけれど 音楽はできる青年との暮らしの中で、 目の前に起こる出来事をどのように受け止めるか 自然の力や音楽の力に癒されながら模索していく日々の記録です。

苦しみの真っ只中を通れ

修業先から帰ってきたmasaを迎え入れて、図書館に立ち寄り、
今日は郵便局の休日窓口の長い列にも並び、そして、
やっとお茶にありつきました。

家人へのチョコと一緒に買った自分への赤いバラ。
            

この少し遅めのティータイムが、イギリスのそれのように
延々と続くのが木曜日の流れ・・・。少しずつ疲れが解けて解放されていく
心と体を感じる瞬間です。

そして、ソファに座って本を読んでくれるmasaのとなりで
編み物をしながら聴いている、安らぎタイム。

ブリジットジョーンズは卒業して、今日masaが選んだのは『パン屋再襲撃』。
単純に、この空腹を満たしそうなタイトルに惹かれたんだと思うのですが
村上春樹作品集です。

相当にお腹を空かせたお話で、‟飢餓”というワードが
これでもかと繰り返される前半。
結婚したての二人が、深夜自宅に食料が殆どなく
食べに出るのもいやと妻は言いながら、見つけたビスケットを2個ずつ口に入れ
ビールを飲み始めた夫が、ふと昔パン屋を襲撃しようとしたことがあったという話をしたことをきっかけに、
それを今日やろう、と言い出した妻。

その妻の襲撃準備ぶりが、いつ準備したのか、という装備で、
覆面に散弾銃、粘着テープに荷造り紐、と用意周到。
深夜営業のパン屋が見つからず、マクドナルドに変更したこと以外は
手際もしっかりと決まっていて、リーダーシップを取りながら
お金を出すと言っている店長に、ビッグマック30個を要求し
その初志を貫徹する・・・・

ただ、空腹を満たすためのパン(バーガー)を得るためだけに
夫の過去の襲撃未遂が子供っぽく感じるほど、妻の物心両面の準備は
いつ考えていたのだろうと思うほどの、完璧な成功へと導く・・。

そう、
女性というのは、こういうもの。やるとなったら、どこまでもイメトレをして
それにふさわしい準備をしていくのです。
村上氏は何を表現したかったのだろう。

masaがお出かけ中の午前中、
私があちこちに送る手紙や書類にエネルギーを集中していた数時間の
真剣度合いは、ちょっとこの妻の‟立ち向かう”踏ん切りの良さ重なるように
聞こえてきました。散弾銃は持っていないけれど、その位の真剣度、で
突き抜けた感覚でした。

苦しみの真っ只中を通れ
もし今、苦しんでいて、その苦しみから一刻も早く脱したいと思うなら
ば、その最短の道は眼前に開いている。・・・

お借りしている『超訳 ヘッセの言葉』をぱっと開いたら出てきたページにあった言葉です。

そして、次に目にした言葉は
『血が出るような人生経験を重ねよ』

恐れや不安を感じないふりをして時間をすごしていても
それもまた、人生の貴重な1日のかけがえのない時間。
まだ何かできないか、と追い詰められて考えつけば
それでまた一歩前へ進めます。

これでいいのかな、と自分の中で問答する余力もないほど
燃焼した後のいさぎよさを享受できた今日の午後に感謝です。

夕飯クリップ☆彡